2020.10.8

#001 黒船亭のワイン会

みなさん、こんにちは。黒船亭ソムリエの岡田と申します。
今日から不定期ではありますが、ワインコラムを執筆させていただくことになりました。
黒船亭では魅力的なワインをセレクトし、料理とのペアリングを楽しんでいただいています。同時に、このコラムを通してワインの魅力をお伝えしていきます。
そして、ワインを通して日々の生活を楽しんでいただきたいと思っています。

先日、黒船亭の7階で、記念すべき第10回目の「洋食とワインを楽しむ会」を開催しました。
テーマは、シャンパーニュ。
フルコースの特別メニューに5種類のシャンパーニュ(+赤ワイン)を合わせる豪華なイベント。
そのシャンパーニュについて解説をします。

フランスの首都パリから北東に120km、車で約1時間強程走るとシャンパーニュに到着。ランスとエペルネという都市を抱え、ランスには歴代フランス国王の戴冠式の場所ともなった世界遺産の美しい大聖堂があります。 シャンパーニュ地方は、北緯50度、ワインを作っている地域としてはフランスの中では一番「北」に位置します。筆者が訪れた6月はぶどうの畑の続く丘陵地帯に重く雲がのしかかり何ともどんよりとした天候が続いていました。年間平均気温10℃という冷涼な地域で、海底が隆起して現れた石灰質の土壌。こうした独特の気候風土から生み出される繊細で複雑な味わいのシャンパーニュは、世界的に高い評価を得ているのです。

この厳しい気候では、安定した品質を保つため、収穫年の違う複数の年度(ヴィンテージ)のぶどう、複数の畑のぶどう、ワイン法で決められた3種類のぶどう品種を“ブレンド”して造られるのが基本。 その造り方は伝統的な瓶内二次発酵でつくられます。これをシャンパーニュ方式と呼びます。通常のワインに糖分や酵母を加えて密閉した瓶の中で二次発酵させ、発酵により生じた炭酸ガスを封じこめることで独特のガス入りのワインが造られるのです。世界のいくつもの場所で、ガス入りの発泡性ワインが造られていますが、これらはすべてスパークリングワインと呼ばれます。
同時にこれらは各国ごとに固有の名称で呼ばれています。
スペインのカヴァ、イタリアのスプマンテ、ドイツのゼクトなどで。
どれも美味しいのですが、やはりシャンパーニュは格別です。
歴史に裏付けられ、人の英知を結集したフランス・シャンパーニュ地方のみで造られたスパークリングワインこそが「シャンパーニュ」なのです。

かつてシャンパーニュは12月に年間の9割が消費されていました。
クリスマスイヴにフレンチレストランでシャンパーニュで乾杯し、豪華なコース料理を楽しんだものです。
それは、「おしゃれな」イメージが先行していたのです。
今は通年でシャンパーニュを飲むようになって、食前酒として更に食事中に楽しんでいます。どうしても料理に合うワインが選べないという時は、シャンパーニュを選ぶのが無難ですね。
「瓶内二次発酵」と呼ばれる手の込んだ製法で作られるシャンパーニュは複雑で豊かな香りがあるので、さまざまな料理と接点が見つかります。
お祝いの乾杯は食後にデザートとシャンパーニュで、または、飲みに出かけ2軒目でシャンパーニュの飲み直しもなかなか「粋」だなと思います。
ぜひ、お試しあれ。


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